そもそも 手芸とは何でしょう?

そもそも手芸とはどういうものでしょうか?

文献によると、『手芸とは、手先の技術及び、それによる創作活動を指し、

主として糸、布を用いて、家庭内の実用品、、装飾品などを作る手仕事の総称とされる。』

ということで手芸とは、明治時代に、主に女性の家庭内での趣味的な制作を意味する言葉として、使われるようになりました。

私が結婚した頃は、花嫁道具にミシンや編み機を持って行ったり、花嫁修業(今は死語のようですが。。。)の一環で、お茶やお花と共にそれらを習う女性が多くいました。

生活に必要な布製品、バッグなどの袋物、エプロン、枕やクッションのカバー、簡単なスカート、ふきんや雑巾まで、結構何でも作りました。そこに少し刺繍を入れてみたり、アップリケをしてみたり、気に入ったものができるとそれだけで幸せな気分になりました。

もう遠い昔のようです。。。(笑)

元々手芸というと、刺繍や編み物が中心でしたが、現在では新しい技術を応用した、今までの手芸にない多様なものが生まれています。ハーバリウムやレジンアクセサリー、ワイヤーアートなども入ると思います。

では手芸の意義とは何かと考えてみました

アイヌの人々の衣装に施される刺繍や、青森のこぎん刺し、教会刺繍などはできあがった作品の価値だけでなく、作業をする行為自体にも価値があるのだと思います。

家族のために健康や安全を祈りながら、また信仰を深める行為であったり、作った物自体だけではなく、誰が作り手であったかも大切な意味を持つものです。

市場向けではなく、身近な人々のために作られたもの。

そこが、手のぬくもりであるとか、一途な祈りの気持ちなどが伝わってくる所以なのだと思います。

また、手仕事の技術の向上のためにも手芸は欠かせないもので、それを身につけることで色彩感覚や美的感覚も養われ、日々の生活を豊かにしてくれています。

一般に、手芸といわれるものは、技術的には比較的容易に作られるものが多いので、評価されにくいものですが、美術館に飾られるような価値のものではないにしても、その存在意義は大きいのだと思っています。

そして、手芸的なものが生まれる社会や空間と言うものは、社会が平和であってこそ存在できるものではないでしょうか。。。

最近はブログやインターネットなどで自分の作った作品を発表したり、販売したりすることもできるようになりました。技法も一つではなく、違う種類のものと合わせて作品を作ったり、個性豊かな作品が多く作られるようになりました。

そして今までの手芸と芸術の境目は混ざり合ったものとなって、新しい価値観が生まれているのだと思います。